弱くなりたい(1/4)

文・中村文人   絵・中野愛久美

どうなっているんだ、日本は、この地球は・・・。
かんきょうおせんといじょう気象のせいで、虫たちがチョー巨大化している。そして日本のあちこちにあらわれて、暴れまわっているのだ。
今もぼくは、カマキリかいじゅうカマノドンをはげしい戦いの末に退治したばかりだ。

ぼくは「8レンジャー」のハチ。天才科学者の飯田橋博士が、日本と地球を守るため作った戦隊ロボットのメンバーだ。
本当なら8人いるんだけど、こしょう続きで今のところ、ぼく一人が働いている。

得意技は、こうてつパンチとうちゅうキック。どんなぶあついかべも、こうてつパンチであながあく。
うちゅうキックで、かいじゅうを軽く月までぶっ飛ばす。
どんなやつがあられようと、このぼくがいるかぎり、日本の、そして地球の平和をみだすことは不可能だ!
というと、かっこいいすがたを想像してしまうが、ぼくって、野球ぼうをかぶり、ランドセルをせおった小学生型のロボットなのだ。

でもね、人間と同じように、うれしいときは笑うし、悲しいときは落ち込むんだ。
本当は、もうちょっとかっこよく作ってほしかったんだけどなあ・・・。
ぼくが変身すると体長15mになる。大きくなっても小学生のかっこうのままだから、たいていの敵は油断するみたい。飯田橋博士はそこまで考えて作ったというけれど、本当かな?