待ち合わせの鳥居の所にお姉ちゃんがいました。
「なんだ、早かったのね」
お姉ちゃんの言葉にトモちゃんは驚きました。ひょっとしたら、お面屋にいた間時間が止まっていたのかもしれないと思いました。

「くじ引き、何か当たった?」
「何も。でもおもしろかったよ」
そう言って、トモちゃんはつけていたネコのお面をはずしました。
ずっとお面をつけていたの忘れていたのです。
「だからあいつは私のことネコだと思ったんだ」
「何のこと？」
「月夜のネコかいなだよ」
「ネコかいな？」

お姉ちゃんは意味がわからないようです。トモちゃんはひとりごとをつぶやきます。
「そうか、それでお月さまは、私の顔見てたんだ。このお面のまねしてネコを選んだんだ」
「さっぱりわかんない。それよりそのお面は、ほんとチャップに似てるね」
トモちゃんが空を見上げてお月さまを指さしました。
「あそこにもチャップがいるよ」
空には黄色いネコが、にんまりと笑っていました。

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