私が絵本画家になった理由:たかすかずみさん

名作『きつねのでんわボックス』はじめ多くの作品の絵を担当されているたかすかずみさん。学校を卒業して活動を始めたころのお話や売り込みの苦労話を紹介いただきました。

たくさんの出会いに支えられて

◆フリーのイラストレーターになる!
小さいころから、「毎日、コツコツ」が苦手だった。
好きなことにはすぐ夢中になって、飽きるまで何時間でもやり続けたが、その分冷めるのも早かった。
中学生くらいになると、「頑固な怠け者」――そんな自分を持て余した。
早く社会に出て、「緊張感」というものが欲しいと思った。
毎日飽きのこない、面白い仕事とはなんだろう・・・いくら考えてみても思いつかない私は、映画ばかりを観て時間を過ごした。

高校を卒業し、明確な夢も目標もないまま、ただ興味があるというだけで、アニメーションの専門学校に入った。しかし、そこでは、半端ない情熱を持った仲間たちと、語れば語るほど、「アニメーターにはなれない!」という思いが募るばかりだった。

そんなころ、非常勤講師のフリーのイラストレーターの先生と出会った。
初めて聞くその職業に、「好きなときに起きて、好きなときに仕事をして、好きなときに寝る、そんな仕事ですよ」と、先生は説明してくれた。
この世にそんな夢のような仕事があるなんて!
思わず身を乗り出した私に、「やりかたは自由、こうでなければいけないことなんて、なにひとつないよ、自分の頭で考えて、自分の足で一歩一歩階段を上がっていけばいいんですよ、免許も資格もいらないからね」と。
そのとき私は、「フリーのイラストレーターになる!」と、なんの迷いもなく心に決めた。