「ナイト列車 ドリーム号」~アーシャの力(3/8)

文・泉あおり  

ジャジャ、ジャジャーン!
映画が始まって1時間、となりでキャラメルポップコーンを食べながら、たか子がスース―と寝息を立てはじめた。
(え! もう、寝ないでよぉ)
あれだけヒーローと盛り上がっていたのに、たか子は暴走列車を止めにきた、赤い着ぐるみの男に、もう興味をうしなっていた。

「はぁ、お小遣い、はたいたのになぁ」
眠ったたか子の胸から、レン子はポップコーンをうばいとった。
手をつっこんで、ポップコーンを引っつかむ。
むしゃむしゃと食べてるうちに、止まらなくなってきた。

「もぐもぐ、来月、もぐ、ピンチだ、もおっ」
むしゃくしゃし、ポップコーンに手をつっこむ。
すると、なにやら固いものが、レン子の手に触れた。
(ん? なんだこれは・・・)

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員