「ナイト列車 ドリーム号」~アーシャの力(4/8)

文・泉あおり  

目を開けた。レン子は、ハッとした。ピンクがかったモヤが、まわりに立ちこめている。
「へぇぇ! ここって、どこなのぉ?」
もちろん、隣にたか子の姿はない。
(ベンチ? まさか、駅? ウソだぁ・・・)

レン子はぼうぜんと、立ちつくしていた。
すると、遠くから列車の音がした。
たしかに、電車が走る音が、聞こえている。
「へぇぇ。レールなんて、ないのにぃ?」
訳がわからず、オドオドした。
やがて、レン子の目の前に、一筋の光が見えてきた。
その光は、どんどんこっちに近づいてくる。

ガタゴト、ガタゴト、キイィッ。
「き、汽車だぁ・・・」
ピンクのモヤから現れたのは、たった一両編成の、紺色の蒸気機関車だった。
レン子の目が、点になる。
そのとき、運転席の窓がガラッとあいた。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員