「ナイト列車 ドリーム号」~ゴーストガール(3/9)

文・泉あおり  

カゥクァ。カゥクァ。
「うぅ、まぶしい」
目を開けると、二羽のカモメが太陽の光をさえぎって、美琴のはるか頭上を飛んでいく。
美琴は、ベンチでゆっくり体を起こした。
「あたし、ここで寝ちゃってたのね」
そこは海の見える公園で、近くには赤い電波塔に、大型のショッピングモールも見えた。

(こんな場所で中学生がひとりで・・・わーんっ、私ってスキだらけだわっ)
思わず美琴は、ベンチで頭を抱えた。
(これから、どうすればいいんだろう)
かおりから逃げてしまったが、他に行く場所なんてないわけで。今さらながら、優しくしてくれたオバケのかおりが恋しくなった。

「ああ、落ちこんじゃダメ。とにかく、私が生きてるって証拠を、ちゃんとつかまないと!・・・ん、これは?」
その時、美琴は首元のネックレスに気がついた。それはハートが半分に欠けたデザインで、チェーンは金色のものだった。
おそらく誰かとニコイチの、ネックレス。
それはデザインを見てすぐにわかったが、思い浮かぶ相手は誰もいなかった。

(親? 兄弟? まさかの彼氏とか?)
美琴は指で、ハートをピンと弾いて立った。
「彼氏はナイか・・・。だってまだまだ、かおりさんの足もとにも及ばないしね、私」
空をあおぐと、またかおりの顔が浮かんだ。(なにも、逃げなくたってよかったのに)
「あ~ダメダメっ。ちゃんと確認しなきゃ!
私、生きてるよね? ああ、頼むよ~!」

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員