「ナイト列車 ドリーム号」~ゴーストガール(4/9)

文・泉あおり  

軍人が告げた「こっち側」――その真相は、青木かおりの口から、聞くこととなった。
「いい、美琴。死んで四十九日がたったら、死神がやって来てあなたにこう聞くの。『この世界に残るか、あの世にいくか』ってね」
「この世界? あの世?」
ベンチでうなずく美琴に、細い眉を上げてかおりは、学校の先生のような口調で続ける。

「こっち側、つまりこの世を選択すれば、それは生前の未練を果たすための、辛く長い道のりを意味するの」
そこでかおりは、あたしのことよ、といったように、小さく肩をすくめてみせた。
「でもね、美琴に地縛霊はススメない」
「・・・でも。かおりさん、ステキだよ」
「ダメ。恨みを膨らませる人生なんて、不幸になるだけよ。人を呪って幸せになるなんて、絶対にない。気がついた時にはもう遅い。ワナにかかったみたいに、どっぷりとこの世につかってる。もう、負の連鎖なのよ」

皮肉混じりにそうつぶやくかおりに、美琴はズキンと胸を痛めた。まるでそれが自分なのよと、そう言っているように聞こえたのだ。
ひと息ついて、かおりはさらに続けた。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員