「ナイト列車 ドリーム号」~ゴーストガール(7/9)

文・泉あおり  

「美琴、お~いっ、美琴っ」
人なつっこく、そして溌剌としたその声に、美琴はハッと眼を覚ました。
スクリーンの映像には、妹が立っていた。自分と同じ、艶のある黒髪をお団子にした、妹の美波だった。

美琴は立ち上がって、映像に手を振った。
「――美波、美波っ! 聞こえるのっ?」
返事はないものの、スクリーンの中の妹はにっこりとした。だが、彼女の背後を見た瞬間に、美琴は息をのんでしまった。

「ベッドにも美波が・・・今、私の目の前にいる妹は霊体――ねえっ、あなた生きてるの?」
美波は、父と母、そして自分が眠っているベッドを振り返り、またすぐに美琴に向き直って、にっこりとうなずいた。

シュッ!
その時だった。妹の横に、黒いコートをはおった長身の男を見つけたのは。
(あのヒト、笑ってるわ!)
その男がすぐに病院関係者じゃないとわかって、美琴はスクリーンに呼びかけた。
「美波っ! 美波っ、聞いて!」

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員