「ナイト列車 ドリーム号」~ゴーストガール(9/9)

文・泉あおり  

いったんこの世に戻った美琴は、ナイト次元で見てきたすべてをかおりに報告した。
「そっか・・・。でも、ご両親は生き残ったのね。美琴、辛いのに話してくれてありがとう」
美琴がナイト次元に向かっている間、かおりはベンチでずっと、膝枕をしてくれていた。

「かおりさんの太もも、私のせいで真っ赤だ」
「フフ、別に痛くないし大丈夫よ。それより美琴、これからどうするつもりなの?」
「妹を探しにいく」
「まあ!」
当然、かおりはベンチでびっくり顔だった。そしてすぐに美琴の両肩をつかむと、かおりは眼を細めて、きつく美琴に確認したのだ。

「ミスターゴッドから逃げるのね。相手は、この世界の神なのよ、ちゃんとわかってる?」
「うん」
「はぁ」
美琴の潔い返事に、かおりは失恋でもしたように肩を落とした。ベンチで足を組み、額に手を当てたかおりが、もう一度質問する。

「神の審判はどうするの? 普通は天国へ行くか、あたしみたいにこの世にとどまるのよ」
「審判なんて、無視するわ!」
そう言い放つ美琴に、かおりが天をあおぐ。

泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員