おれと天使(2/6)

文・泉あおり  

ひゅるりッ、スポンっ!
ヨースケは、今日は社会のテストで百点をとるため、また体を飛び出していた。
「時代はロン毛だよな」
つくえのうしろから、本体のぼうず頭を見て、おもわずがっくりしてしまった。
「母ちゃんに言って、そろそろ散ぱつ屋デビューだ」

ツルツルっ!
「おっと、あぶねえ、あぶねえ」
そのとき、ヨースケはあしもとのホースに足をひっかけた。
「またふみそうになったぜ。いったい、これはなんのためについてるんだ?」
ヨースケは、本体の首すじからのびる、ながいホースをもちあげた。
「じゃまなんだよな、これ」
ホースは、飛び出したヨースケの首すじともつながっていた。
「本体とつながってんだよな。こいつのおかげで、おれは教室の外に出れねーんだよ」

ミーンミンミン。
セミの声を聞きながら、ヨースケはまためぐみちゃんの席へと歩いていった。
いちばん前の席までくると、
「あれれ? めぐみちゃん、今日は休みかよ」
アイドルが休みとしって、ヨースケはため息をついた。
「しゃあねえ、今日はほかの天才、田中博士の答案だ」
パタパタパタ。
「わっ、なんだなんだ!」
第二の博士にふりむいたとき、ヨースケは見たことのない生物に
こしをぬかしそうになってしまった。

泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員