おれと天使(3/6)

文・泉あおり  

「こ、このバカものが・・・」
「ら、ライフコードが・・・き、切れちゃったよ」
「よ、ヨースケ、はやく、さっさとつくえをつかむんじゃ!」
神のあたふた声に、ヨースケはひっしでめぐみちゃんのつくえをつかみに走った。

ゴオオオォ!
あらしのような音がした。
そしてとつぜん、ガラッと教室のまどがあくと、つくえをつかむヨースケの体が風でもちあがっていったのだ。
「わ、なんだなんだ! そうじ機に、すいこまれるみてえだっ」
「は、はなすなよっ。ライフコードが切れたせいで、地獄のとびらがひらいたのじゃ! 手をはなせばっ、ヨースケは地獄につれていかれるぞぉっ」

ゴオオオオオォォッ!
「む、むりに決まってんだろ! 神ならさっさと助けやがれっ」
「とびらがひらいたからには、もうわしに、手だしはできんっ」
「ひいっ、この役たたずめぇ」

ズゴオオオオオオオオッ!
「も、もうダメだ・・・」
ヨースケをすいこもうとする、地獄からのすさまじいきゅういん力に、ヨースケはとうとう力つきてしまった。
パッ!
「あ、しまった!」
つくえから手をはなしたヨースケが、まどの外へとほうりだされていった。
「ヨースケぇーっ」
「ぎゃあああっ」
そして神のひめいもむなしく、ヨースケは空のかなたへとすいこまれていったのだ。

泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員