ズゼちゃん大好き~エドガルス・カッタイの記録から(5/7)

文と絵・小熊猫吉

バルトの海は大変おだやかです。
滑るように船は進みます。
3日過ぎたときの明け方、大きな港に到着しました。
大勢の荷役の人たちが大声をかけてクレーンにおりをつり下げます。
そして岸壁のそばに止まっているトレーラートラックに積みかえられました。

私はドイツ語が少しわかりますが、ズゼには初めて聞く言葉です。
(これがドイツの人たちの言葉なのだな)
いつもと違った叫び声と少しゆれたのですが、私がおりの横で一緒だったのでズゼちゃんはこわがっていません。

「ズゼちゃん大丈夫だよ。すぐにトラックになれるからね」
私は呼びかけます。
そしてバケツ一杯の冷たい水を飲ませてあげたので、ズゼも落ち着きました。

小熊猫吉 について

(こぐま ねこきち)1937年生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。1993年~1998年王子動物園園長。現在80歳です。70歳まで動物園で獣医師として動物たちの健康管理などをしていました。 動物園で学芸員の資格を取得してから10年間毎週土・日に動物の子育てや暮らしぶりについて子供たちに30分程度話していました。話すだけでなく紙芝居を作成して話すようになりました。