ロイちゃん(3/6)

文・泉 あおり  

「スズちゃん! あたしも、みんなと遊びたいっ」
「へ、へえぇ、ロイちゃんったら、せっかくねてたのに」
ビイイッ!
なんと給食の時間に、またロイちゃんがおきてしまったのだ。
「みんなといっしょに、コッペパンに、かぶりつきたいぃっ!」
「ロイちゃん、むりだよぉ・・・それはぁ」

ビイイイッ!
「なんだなんだ!」
「けさのうちゅう人だあっ」
つくえを四つにあわせた島々から、給食の手をとめたみんなが、首をのばしてスズ子にふりむいた。
「へぇ、そのぉ、わたしじゃなくってぇ」
ビイイイイイッ!
「井上、赤ちゃんをうんだな!」
「いや、妹をつれてるかもしんないぞ」
ぎゃははは!
「ひぃ、だよねぇ、思うよねぇ・・・」

泣きぐずるロイちゃんに、みんながいろんな想ぞうをふくらませていった。
「もー、バレちゃうよぉ」
「スズちゃん、あたしも生徒よ! みんなに、ロイちゃんをしょうかいして」
「へぇ、それはぁ、ねぇ」
「スズちゃん! じゃないと、もっと泣いちゃうからっ」
「ひぃ、へえぇ、へー」
ガタッ。
しかたないと、スズ子はコッペパンをおいて席をたった。

泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員