未来人がやってきた(2/5)

文・泉あおり  

ほんとにコイツが未来の自分なら、まさにスーパーコウタってことになる。
コウタはうたがいながらも、つくえにたつコウタのはなしを聞くことにした。
「どうしてお母さんの言うことを聞かないのかな?」
「だって、算数が大っきらいなんだもん」
「君のゆめって、なんだっけ?」
「ゆめ? そりゃあもちろん、ずっとゲームをすることさ。ぼくのゆめは大好きなゲームとドーナツにかこまれて生きること、それしかないよ」
するとスーパーコウタが大声をだして笑った。
「やれやれ。それじゃあぼくの計画どおりにしてくれなくっちゃ。ぼくはそのゆめをかなえるために、コウタの身のまわりを、ちゃんとコントロールしてあげてるんだし」
「え! だったらお母さんに言ってよ。今すぐぼくにゲームをさせなさいって」
「それはダメ。未来にはちゃんと計画があるんだし」
スーパーコウタの言ったことは、いまいちなっとくができなかった。
「明日からはぼくとの約束を守ってくれよ。そうすれば、君のゆめをかなえてあげるからさ」
「え、ほんとに?」
「約束さ。だから明日からは、人の言うことをすなおに聞くんだよ」
「人の言うことを、聞く? なんだかめんどくさいなあ。ん、あれ?」
気がつくと、スーパーコウタはあとかたもなく消えていた。
「やっぱりゆめだったのか」
コウタは目をゴシゴシして、また鼻をほじった。

泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 童話とエンタメ系児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員