いすから去った王子(1/7)

文・伊藤由美   絵・伊藤耀

老人は、「分からん」と、ぶっきらぼうに首をふり、それきり、この映画のおしまいまで、なぜ、王子が99日目にいすからいなくなったか、その理由を教えてくれないのです。
どうにも、気になるではありませんか!

私は、この映画を思い出すたび、
「王子は、あと1日が、どうして、しんぼうできなかったのだろう?」
と、考えました。
ずっと、考え続けて、このごろになって、私は、ようやく、その理由が分かるようになりました。

ですが、ちょっと、待ってください。
本当に、それが正解なのでしょうか?
全然、ちがう理由だったのでは?
そこで、私は、こんなお話をこしらえてみました。
これを読んで、あなたはどう思われますか?
「そうだ、そう通りだ!」
と、感心してくださるでしょうか?
それとも・・・?

伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井市在住。 ブログ「絵とおはなしのくに」を運営するほか、絵本・童話の創作Online「新作の嵐」に作品多数掲載。HP:絵とおはなしのくに

伊藤 耀 について

(いとう ひかる)福井県福井市生まれ。福井市在住。10代からうさぎのうさとその仲間たちを中心に絵画・イラストを描き始める。2019年からアールブリュット展福井に複数回入賞。2023年には福井県医療生協組合員ルームだんだん、アオッサ展望ホールその他で個展開催するほか、県内アールブリュット作家展に出品するなど、活動の幅を広げている。現代作家岩本宇司・朋子両氏(創作工房伽藍)に師事。HP:絵とおはなしのくに