いっしょに暮らせなくなっても、パパはパパ

パパはジョニーっていうんだ パパはジョニーっていうんだ
ボー・R・ホルムベルイ 文 エヴァ・エリクソン 絵
ひしき あきらこ 訳 
BL出版

大人の都合で、両親と一緒に暮らせなくなる子どもたちがいます。 この話は、月に一度父親に逢えるティムの一日を、チィムの言葉で書かれています。

プラットホームでひとり、パパと待ち合わせます。今日は、パパと二人きりで過ごす一日。 出逢う人、出逢う人に、「ぼくのパパだよ。ジョニーっていうんだ」と、胸をはって紹介します。

絵の中に、おとなしそうなさえない無口なパパが、書かれています。それでも子どもにとって、たった一人のパパ。世間の評価なんて関係ありません。 子どもと暮らせなくなったパパたちに、伝えたい。どんなパパでも、子どもにとってのパパは、あなたしかいないのです。

ふたりで入ったレストラン。帰りにパパが勘定をするシーンで「ぼくのパパが、お金をはらうよ」と店じゅうにひびく声で言います。 ティムは、どんな思いで日々、暮らしているのでしょうか。 別れの時間が来ます。プラットホームに見送りに来たティム。パパは電車の出発まで、少し時間があるのを見て、ティムを抱えて電車に乗ります。「この子は、ぼくの息子です。最高にいい息子です。ティムっていうんです」

子どもにとってママもパパも、ひとりづつ。いっしょに暮らせなくなっても、パパはパパ。忘れてはいけないことです。そして、いつまでも、子どもが誇れる「パパ」でいてください。それが一番の、子どもへのプレゼントではないでしょうか。

真理こまり について

岡山市 在住。魔女とハーブと海外自由旅が大好き。 ミニブタのブーブと猫のリーリと同居中。 岡山工業高校デザイン科卒業後 、大阪芸大で版画を専攻。 卒業後ロサンゼルスのレイ・アンダーソン工房へ1年遊学。 建築士、インテリアプランナー、ガーデンプランナーを職としながら、 2005年、まちづくりのNPO法人まちづかい塾を開設。 傍ら、日本児童文芸家協会会員として、詩や童話を描く。 2012年、2014年、岡山市民の童話賞受賞。 2010年コミュニティカフェ「よいまちカフェ」(良い街・宵まち)を開設。 大人向けの絵本でつながるコミュニティカフェ「絵本の納屋」を常設。 現在、サークル絵本塾 主宰。   http://michicafe.net https://www.facebook.com/55naya