おにぎりと神様(5/8)

文・きゅりあ   絵・柊 京佳

「あれれれ・・・?」
おどろきをかくせないおにぎり君は、これでは、行き先を見つけるなんてむりだよと、しょんぼりとしました。
ですが、神様はニコニコとして、どれどれと、おにぎり君をジッとさらに見つめました。

「ほ、ほ~う。なるほどなあ~。これは、すごいことになっておる」
おにぎり君はともかく、ドングリくんと、花のタネさんと、カキのタネたちのことだけでもと、神様に話してみました。
「うん。うん。知っておるぞ。知っておる。しかしのお、もうすでにかれらは気持ちいい場所を見つけているようじゃぞ」
「え?  気持ちのいい場所?」
「おまえ様の体はほんに、気持ちいいと、みな思っているようだ」

「え、ええ!? ほんとなの?」
おにぎり君 は、自分の体をよく見ようとしましたが、うまく見ることができません。
う~ん、う~ん。おにぎり君がうなっているところへ、はたまた、あの時のとっても強い風がまた、「ビュー、ビュビュビュ~」と、ふきました。
「おお! おお!! さむい!!」
神様はあわてて、ほこらの中にかくれてしまいました。

きゅりあ について

福岡県生まれ。仕事の合間に詩や物語を書いています。 童話は優しくてほっこりするようなものを目指していますが、 まだまだ、文章は勉強中です。 いつか、イラストも勉強して、自分の描いた絵で童話を作りたいです。 blog では、詩と物語を載せています。 良かったら遊びに来てください。 blog:パンラ国物語と詩集の欠片たち

柊京佳 について

(ひいらぎ きょうか) もの心ついた時からお絵描き大好き!たくさんの絵本に囲まれて子育てする中で、実際の生活の中にもある素晴らしい物語をいっぱい発見!2015年からブログやトークライブでそれをお伝えしています。 ブログ:はぴゆるの森屋 虫や山や木との不思議なやりとり書いてます。