こおにの あまぶえ(4/4)

文と絵・みろかあり

たくさんの あめが ふったあと、いままで みたことも ないような おおきな にじが かかりました。

「ほら、もう なかなくて いいから、みてみろよ」
こおにが ありちゃんの てを とって、ベランダに でました。
ありちゃんは、なきはらした あかいめで、キレイな にじを ながめました。

かわききっていた せかいが キラキラかがやいて みえます。
(うれしいな、うれしいな)
(これで また げんきに はなを さかせるね)
くさや きの こえも きこえてきた きが しました。

「すてきな あめを ありがとう」
ありちゃんは おもわず、こおにに おじぎを しました。

「あめが ひつように なったら、 いつでも よべよ。オレが ふらしてやる!」
おおきな にじの したで ふたりは てを つなぎました。

にじが きえると こおには そらへと かえって いきました。

「あめが ふらなきゃ いいのに、なんて もう ぜったい いわないからね~」
ありちゃんは おもいきり てを ふりました。

みろか あり について

東京都出身。絵本作家、イラストレーター。 イラスト、さし絵を担当した本は『KGBスパイ式記憶術』(水王舎)、『仏像の光と闇」(水王舎)、『おもしろ“紙学” エコ:紙はやさしいんだ!」(くもん出版)、『 もらった子ネコ、かえします』(CATパブリッシング)。 ブログとHPやっております。遊びに来てください。 ブログ: みろかありのブログ HP:みろかありのページ