ぜんぜん不思議じゃなかった3日間(4/15)

文・朝日千稀   絵・木ナコネコ

でも、ここ、花盛り町大字細八字猪甲乙の住人、策作じいさんにとって、それは・・・、それは、年中行事!
あの少年、お兄さんには、もう、何度も、何度も、・・・幾度指を折ったのかわからなくなるくらい、会っているに違いない。
盆入りのいまだもの、もう、すでに、「見えたり、見えんかったりはするけど・・・」という、他のユーレイの方、つまり、ご先祖さまや友だちにも、会ってしまっているのかも。
それなら、わかる。
平然としていても当然だ。
この状況に慣れてるんだから。

けど、でもっ・・・。
あの少年、賢作さん(スイカを食べながら話してくれた時、策作じいさんは、そう呼んだ。漢字の説明も聞かされた)は、ユーレイにしておくのは、もったいない。
生きている人なら、告白、したい。
そして、蜜柑と太朗みたいに・・・。
いや、でも、それは、かなわぬことだ。
「着いたで」
「あっ、はい・・・」

朝日千稀 について

(あさひ かづき)福井県福井市在住。3猫(にゃん)と一緒なら、いつまでもグータラしていられる

木ナコネコ について

(きなこねこ)福井生まれ、大阪住まい。福井訛りの謎の関西弁が特徴。猫と珈琲と旅が好き。