ぜんぜん不思議じゃなかった3日間(8/15)

文・朝日千稀   絵・木ナコネコ

「ふぁーっ・・・」
目覚めると、高い天井。
そこから下がる電気の傘の中、オレンジ色のマメ球が闇に浮かぶ。
「何時くらいかな・・・」
「10時過ぎくらいだな。さっき、時計が10個打ったばかりだから」
「ふーん、打つって、振り子の時計? あたし、ぜんぜん聞こえなかった・・・、」
って、えええーっ! こんな夜中に男の声が!
策作じいさんの声じゃない!

焦るな来月、自分に言い聞かせながらも、ノーミソはフル回転だ。
これは、どういう状況だ?
泥棒? 強盗? 痴漢? 変態?
泥棒や強盗だったら、時間を教えてくれるより、金目の物を出せ! だろう。
痴漢だったら、あたしが声を発したとたん、さっさと逃げていくだろう。
だとしたら、残るは・・・。

タオルケットを跳ね上げ、飛び起き身構える。
「この変態、安達ケ原来月が、成敗してくれるわっ!」
自分の気持ちを奮い立たせ、相手を怯ませるため、名乗りを上げる。
こんなときに白状するのもなんだが、あたしは、空手、黒帯だ。

朝日千稀 について

(あさひ かづき)福井県福井市在住。3猫(にゃん)と一緒なら、いつまでもグータラしていられる

木ナコネコ について

(きなこねこ)福井生まれ、大阪住まい。福井訛りの謎の関西弁が特徴。猫と珈琲と旅が好き。