つなぐ(1/10)

文・藤 紫子  

おじいさんは小鳥たちの声で目をさましました。
「ずいぶん寒くなったものだ。だが、今朝は起きねばな」
葉が赤や黄色に色づくようになったこのごろは、目ざめても、布団のなかでしばらくぬくぬくしています。

けれども、今朝はちがいました。
おじいさんはすぐに起きだし、ストーブに火をつけ、ご飯をすませ、スーツに着がえ、でかける用意まで終わらせました。

藤 紫子 について

(ふじのゆかりこ) 札幌市生まれ。札幌市在住。季節風会員。小樽絵本・児童文学研究センター正会員。12年ほど町の図書館員をしていました。子ども向けのお話と好き勝手な詩(https://ameblo.jp/savetheearthgardian/entry-12601778794.html)を書いています。自然・ドライブ・博物館・棟方志功氏の作品・源氏物語・本(本なら問題集でも!)が好き。