ぴょんぴょん ぴょぴょん(4/4)

文・もりなつこ  

ぴょん-4「ムニャ・・・かえるくん・・・んん?」
こうだいくんが めを さまします。
「もうふが ぴょんぴょんしたみたい」
こうだいくんは もうふを みてびっくり。
「わあ! かえるくんが いっぱいだ!」
しろいもうふが かえるの もうふに だいへんしん。
おおきいかえる ちいさいかえる ほそながかえるも ふたごの かえるも みんな みんな もうふの なかで たのしそう。
こうだいくんも にっこにこ。
「あれ? きみは かばんの かえるくん?」
あらまあ。
パジャマと おようふくと ずぼんと くつしたと てさげかばんの かえるたちも みんないっしょに はいっちゃって もうふの なかは ぎゅう ぎゅう ぎゅう。
かえるたちは おおあわて。
こうだいくんに みつからないように そっと ぴょぴょんと とびだして もとのところに もどりました。
「おひるね おわり! おもらし してない! かえるの もうふ だーいすき!」
こうだいくんは げんきいっぱい おきました。
かえるたちも にっこにこ。ちいさな こえで こたえます。
「ぼくたちも だーいすきケロ」
こうだいくんは かえるの もうふを ぎゅっとしてから きれいに たたみました。

それから かえるたちは どうしたかって?
もちろん こっそり おうちにかえって、もとの もうふに もどりましたよ。


Special Thanks to ILLUST BOX/GATAG/フリー素材集 壱/カエル

もり なつこ について

大阪市生まれ、鹿児島市在住。日本児童文芸家協会、日本児童文学者協会会員。「日産童話と絵本のグランプリ・優秀賞」「新美南吉童話賞・特別賞」「小川未明文学賞・優秀賞」などを受賞。2010年『『風よ! カナの島へ』 』(国土社)を出版。現在は鹿児島市内で児童クラブの支援員をしながら創作活動中。鹿児島の海と空と山と人、子どもの笑顔に癒され、ときどき桜島にびっくりさせられながら、楽しく暮らしています。