ふしぎなぴりーこぱん(2/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

たいようが、かがやいていた。よく晴れた朝だ。
そして、月もかがやいていた。星がきれいな夜だ。
半分が朝で、半分が夜になっているのだ。

「学校も、ねてるからね」
ぴりーこぱんがとなりに来て、あんこちゃんに言った。
あんこちゃんは、ぴりーこぱんがちょっとこわくなってきた。このまま、みんながねむったままだったらどうしよう・・・

「ね、だからじかんはだいじょうぶでしょ?」
ぴりーこぱんはぜんぜん気にしていないようすで、にこにこして言った。
「あんこちゃん、あそぼうよ!」

あんこちゃんは、ドキドキしながらぴりーこぱんにたずねた。
「いっしょにあそんだら、みんなはちゃんとおきる?」
「だいじょうぶ! ぴりーこぱんがかえったら、ぜーんぶみんなもとどおり」
ぴりーこぱんは、くるくる回りながら答えた。

「わかったよ」
あんこちゃんは、しぶしぶ言った。
ぴりーこぱんがあらわれたとたん、ふしぎなことがつぎつぎおこって、ちょっとこわい。けど、あそばないと時間が元通りにならないみたいだからしかたない。

「何してあそびたいの?」
あんこちゃんがきくと、ぴりーこぱんは、またまた元気に答えた。
「まずはおなかがすいたから、いっしょにパンつくろ!」
「あそぶんじゃないんかーい!」
あんこちゃんはツッコミをさくれつさせた。
そしたらこわかった気分がふっとんだ。
ツッコミはやっぱりさいきょうのぶきだ。

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。