ふしぎなぴりーこぱん(4/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

「あんこちゃん、みーつけた!」
クローゼットのとびらもあけずにぴりーこぱんが言ったので、あんこちゃんはビックリした。

「ええっ!どうしてわかったの?」
こんどはあんこちゃんがそう言いながら、クローゼットのとびらをあけた。
するとそこには、一ぴきの犬がおすわりしてしっぽをふっていた。

「なかなかみつからないから、においでさがしたよ!」
そのイヌが言った。
ぴりーこぱんは、またまたへんしんしていたのだ。

「ぴりーこぱん、かくれんぼの時にへんしんするの、ずるいよ」
あんこちゃんはちょっとすねて言った。
このかくればしょ、けっこうじしんあったのにな。
「そっかあ。あんこちゃんへんしんできないもんね」
ぴりーこぱんが言った。
「それじゃあ、かくれんぼはおしまいにして、こんどはおそとであそぼうか」

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。