ふしぎなぴりーこぱん(5/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

「つぎは、何してあそぼうか?」
あんこちゃんが言うと、ぴりーこぱんは少し考えてから、
「こういうのはどう?」
と、雲をこねこねして、何かを作りはじめた。

でき上がったのは、大きなかいだんみたいなものだった。
ふつう、かいだんはだんだん高くなるか、だんだんひくくなるかだけど、このかいだんみたいなのは、まっすぐいちれつにならんでいた。

「これをね、こうやって・・・」
ぴりーこぱんは、かいだんの一つをふんでみせた。
ポーン!
聞いたことのある音がした。あんこちゃんは元気よく言った。

「わかった! これピアノでしょ?」
「そう! くもピアノ!」
ド、レ、ミ・・・とじゅんばんに音を出しながら、ぴりーこぱんがにっこりした。
その後は、四人そろって雲ピアノの上でとんだりはねたり。みんなてんでばらばらに音を出すものだから、へんてこな、でたらめなメロディができ上がった。

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。