ほしいこ どんなこ(3/4)

文と絵・ひなたのんき

つぎに かみさまは、ライオンの ところへ いった。
と、ライオンの ふうふの ところには、こどもが いない。

「これこれ、どうしたのじゃ。のぞみどおり、とくべつつよいこが、うまれたじゃろう」
「ああ、あんなやつは、おいだしたよ。おれの いうことを、ちっとも きかない。ちからばっかり つよくて、しまつに おえん」
「これ! てきを たおせる、つよい ちからを ねがったのは、おぬしじゃろうが!」
かみさま、おもわず、ライオンを しかりとばした。

「けどなぁ。あいつは とにかく、らんぼうなんだ。てきの まえに、みかたを ぜんぶ、たおしちまうよ」
「ならば おぬしが、みかたに らんぼうしないよう、おしえて やらんかい!」
「だから、その、あいつは、ちっとも いうことを きかないんだってば」
「だまらっしゃい! すぐに、さがしてこんかい!」
ライオンは、あわてて こどもを さがしに いった。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。