ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(1/6)

文・ひなたのんき  

今日は、ひさしぶりに、パパといっしょに、夕ごはんが食べられる。
ここのところ、パパはいそがしくて、いつも夜おそくにならないと、かえってこなかったんだ。
それで、ママ・・・じゃない、しれいかんから、「今夜は、すきやきにしましょ。スーパーのお肉のコーナーで、おいし~いお肉を買ってきてくれる?」という、しれいをうけたのだ。
エージェント③1お肉屋さんパパとごはんがたべられるのはうれしい。ぼくたちは、紙につつまれた、すきやき用のおいし~いお肉を、あたまにのせてみたりしながら、かえり道をいそいだ。

「あっ」
「あっ」
うちの近くまでかえってきた時、となりのマンションにすむいじめっ子、テツヤに会った。
テツヤは、いじわるそうなかおで、ニヤニヤわらいながら、ぼくたちに近づいてきた。
「よぅよぅ、おまえら。サンタさんに、クリスマスプレゼント、おねがいしたか?」
あれ?  何か、いじわるを言うのかと思ったのに。
「したよ~」
つよしが、こたえる。ぼくも、うなずいた。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。