ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(3/6)

文・ひなたのんき  

「それで、サンタさんが、ぼくたちのへやに、入ってくる」
「にいちゃん。サンタさん、どこからくるの?」
「どこからって・・・」
エージェント3③サンタ煙突そういえば、そうだ。うちには、えんとつがないのに、サンタさんは、どこから来るんだろう。
「まど、じゃないかな? げんかんから来る人は、ピンポーンって、おすだろ?サンタさんは、夜中にこっそりくるんだから、きっと、まどだ」
「サンタさん、どろぼうみたいだねぇ」
「どろぼうじゃないぞ。どろぼうは、ものをとっていくけど、サンタさんは、ものをくれるんだから」
「そっかぁ」
サンタさんは、まどから来ることに、きまった。

「どうやって、つかまえるの?」
「わなだよ。わなをはるんだ」
ぼくたちがねるのは、子ども部屋だ。
夏休みまでは、ママといっしょにねてたんだけど、ぼくはもう、小学1年生のおにいさんだから、子ども部屋でねることになった。
そしたら、つよしも、にいちゃんといっしょにねる~って、言い出して、2人でねることに、なったのだ。
エージェント3③おもちゃ箱

「おもちゃばこの、おもちゃ、ぜんぶ出してさ。はこを、まどの下に、おいておくんだ。そうすると、まどから入ったサンタさんは、はこの中に足をつっこむ。はこに足が入ってたら、サンタさん、歩いたり、走ったり、できないだろ?」
「うん」
「そしたら、2人で、ピストルをもって、『うごくな!』って言うんだ」
ぼくたちは、おそろいの、水でっぽうを、持っている。それを、使うのだ。
「これで、サンタさんを、つかまえられる」

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。