広場につくと、事件が起きていた。
「あれ? つよし。どうしてないてるんだ?」
先に来ていたつよしが、広場のまん中で泣いていた。つよしのまわりには、よくいっしょにあそぶ子たちが集まって、かなしそうな顔をしている。
「うえぇ、ヒョ、ヒョコレート、とられひゃった・・・」
なみだとはな水を流しながらつよしが指さした方を見ると、マンションに住んでる小学3年生、らんぼうのテツヤが笑いながら、にげていくところだった。
右手にチョコレートを持って、ぶんぶんふり回している。
「へっへっへ~!よわむし けむし、なきむし つよし!」
「なんだとぉ!」
自分より小さい子にいじわるをしてとくいになるなんて、何てヒキョウなやつなんだ。
あんなやつは、せいぎのエージェントが、ぜったいにゆるさない!
「エージェントつよし。あのチョコレート、とりかえすぞ!」
ぼくは、小学1年生から一気にエージェントたかしになった。
取り返すことを、エージェントのことばで、なんていうんだっけ・・・?たしか、ダ、ダ・・・
「ダッカイだ。ダッカイをするんだ!」
ぼくは、ギュッと手をにぎりしめた。