ぼくたち エージェント!2~チョコレートをダッカイせよ(2/4)

文・ひなたのんき  

「テツヤはチョコレートをもってる・・・。チョコレートは、ずっともってると とけちゃうから、なるべくはやく食べないといけない」
「チョコレート、食べられちゃうの・・・?」
「食べられるまえに、ダッカイするんだ」
その辺で食べてて、もしテツヤのママに見つかったら、つよしからおやつを取り上げたことがばれる。
だから、どこかにかくれて食べるはずだ。

この近くで、かくれてお菓子を食べられるところは・・・。
「うらにわ!マンションの、うらにわだ!」
このマンションは、うらに自転車を止められるんだけど、自転車を止めるところとマンションのうら口の間に、ちょっとだけすわれる場所がある。せまくて、走ったりあそんだりはできないけど、ひみつの何かをするにはちょうどいい。テツヤは、そこに行ったにちがいない。
poket_park
ぼくたちは、マンションのうらにまわった。自転車にかくれてそうっと空地をのぞいてみると、やっぱりだ。テツヤが、チョコレートをにぎりしめて、コソコソまわりを見回している。

「ようし、つよし。おとりさくせんだ。いいか、まず、ぼくが・・・」
ぼくは、つよしの耳に、ヒソヒソと作戦を伝えた。こういう時のために、ぼくは、パパといっしょにエージェントの映画をたくさん見てるんだ。おとりさくせんも、この前映画で見たのだ。

「・・・いいな?」
作戦を言いおわると、つよしは、うん、とうなずいた。
「ようし、チョコレートダッカイさくせん、かいし!」
ぼくは、そうっと、自転車にかくれながら、テツヤの方へ近づいて行った。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。