アイスクリーム・ゴリラ!(3/5)

文・ひなたのんき  

「にんげんあじの、アイス? なぁに、それ。どこにあるの? ねえったら」
レナがいくらきいても、カピバラは、グゥグゥいびきをかくばかり。

「いいわ。また、きいてみる。ありがとね」
とにかく、ヒントはもらえました。それだけで、ずいぶん、あんしんできるものです。
レナは、すぅっといきをすいこんで、
「すみませーーんっ。だれか、にんげんあじのアイス、しってますかーーーっ」
さっきよりもっと、大きなこえでききました。

「しってるよぉーーーー」
小さいけど、たしかにそうきこえました。
「よかった、しってる人が、いるわ」
レナは、ムニャムニャ言っているカピバラにバイバイして、こえのほうにいそぎました。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。