イヤイヤ期に寄り添ってもらえることの愛

◆成長の過程で必ず通る道

文章も最小限でわかりやすく、絵の色合いもとても鮮やかで優しい印象です。
ソフィーの姿は2歳児のまさに等身大の姿を描いていて、それがとても愛らしく、見ていて微笑ましい気持ちになります。

またソフィーはママ、パパ、おばあちゃんによって、そのイヤイヤに寄り添ってもらっています。
愛情をたっぷりとかけてもらっているということがこのお話を通して伝わってきて、読者の心をとても温かい気持ちにさせてくれます。
まさに愛に溢れた家族を象徴しているようです。

このイヤイヤ期は、周りの大人たちに自分の気持ちにどれだけ寄り添ってもらえたかがとても重要になります。
イヤイヤ期はお子さんも成長の過程で必ず通る道で、それは成長の証。

子ども自身も思い通りにできないもどかしさや、自分の気持ちを上手くコントロールできない、言葉にでないことでイライラが募り、「イヤイヤ」という形で表現されているんですね。
この時、寄り添い、受け入れることももちろん大切ですが、ダメなものはダメ、危険なものは危険とはっきりと伝えていくことも大切です。(次ページに続く)

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】