クリエイターEXPOがきっかけ

◆描きながらイメージを膨らませる
入稿までの制作過程ですが、まずは季節やイベントを意識しながら、その月に合ったイラストと靴をラフ画で描いていきます。
2月号ならバレンタインをテーマにして背景をピンク色にするなど、描きながらどんどんイメージを膨らませていきます。
ある程度イラストが決まってきたら、全体像を分かりやすくするため、ペンや絵具で色をつけたラフ案をクライアントに送ります。その後、修正や変更箇所などをつめていきます。

編集部に提案したラフ案

最初のラフ案から大きな変更はありませんが、その季節に合わせる靴や全体バランスなどアドバイスをもらいながら、修正していきます。
私の場合、原画は手描きなので後からの修正が難しく、ラフ案の段階でほぼ原画に近い形までつめていきます。そして最終確認をしてもらい、原画制作に取り掛かります。
ラフ案の提案から原画入稿までの日程は約1週間です。

来月号はどんなイラストにしようかと考えているうちに、あっという間に制作時期がやってきます。最近ではアパレルショップやファッション雑誌、街を歩く人の靴に注目するようになり、デザインや色の組み合わせ方など参考にしています。
今月号はどんなイラストにしようかと毎月ワクワクしています。これからも素敵な表紙を飾れるように頑張っていきます。

中村加菜子 について

(なかむら かなこ)大阪出身。神戸女学院大学を卒業した後、ロンドンへ留学。2013年に絵本シリーズ『トトとムー おかしのまちへいく』(ワークス)を出版する。現在はイラスト制作を中心に、チラシやパッケージデザイン、書籍挿絵、絵本制作などをしている。 HP:HELLO. 中村加菜子の世界