セミくんとコナラさん(3/3)

文と絵・セミちゃん


そして、いよいよ そのときが やってきました。
なつの あるひの よるの ことです。
「コナラさん、いままで おせわに なりました。
 ぼく、いよいよ そとの せかいにでます!」
「セミくん、いままで よく つちの なかで がんばったね!
そとの せかいは つちの なかよりも
さらに きけんがいっぱいだよ。

 どうか きをつけて!」
「うん ありがとう。きをつけます」

そうして、セミは じぶんで つくったトンネルの さきに あなをあけ
そこから ちじょうの せかいの ようすを みました。

じつに 5ねんぶりに みる そとの せかいです。
「わぁー そとの せかいって こんなに すごいのかー!」

「よし! いまだ!」
セミは あなから でるときを きめました。
「いそいで おとなに なるための ばしょに たどりつかなくちゃ!」

そとの せかいを たのしむ ひまもなく
セミは じめんの うえを すこしずつ あるきはじめました。
「うんしょ うんしょ」

セミちゃん について

東京都在住。本名は荻窪奈緒。セミが羽化するその神秘的で可愛い姿を見てセミに恋しました! それまで苦手だったセミが大好きに。以降、セミを追っかけ夏には夜な夜なセミ観察! 生き物、自然が大好きです。セミちゃんと名乗り、セミや自然の魅力を感じてもらう自然ガイドとしてもプライベートで活動中。絵本の他に詩なども創作しています。音楽を取り入れたセミの絵本の朗読&セミの羽化観察会をすることも目標! 心が温かくなる絵本の世界は大好きです。これからも生き物や自然の世界の面白さ、素晴らしさを絵本創作などで多くの人に伝えていきたいです。Twitterアカウント名:セミに恋するセミちゃんEmail:naoginta1978@gmail.com