チャン! チャン! チャン! チャン! チャン小熊ねずみー!(1/7)

文と絵・くまもり こぐま

<その1>
チャン! チャン! チャン! チャン!
ふりつづいた雨で、ぬかるんだバスていで音がします。
チャン! チャン! チャン! チャン!
これはチャン小熊ねずみがボールをつく音です。
チャン小熊ねずみがバス停でチャン小熊ねずみは小熊のような顔をした、それはそれは体も気も小さな子ねずみでした。
チャン小熊ねずみは気が小さいのですぐに不安になります。
不安になると、気もちをおちつかせるために白いボールを、チャン! チャン! チャン! チャン! とつくことから、チャン小熊ねずみとよばれていました。

つゆ時のくもり空は、いつ雨がふってくるか分からないくらいにどんよりとしています。
チャン小熊ねずみは、スズランびょういんに入いんしたおばあちゃんのお見まいに行くために、バスをまっていました。(次のページに続く

くまもり こぐま について

東京生まれ。旅行誌のライターを経てシナリオを書き、その後子供の頃からの夢であった児童文学作家を志しました。童話コンクールで賞をいただいたことをきっかけに、子供だけでなく、大人の心にも寄り添うような作品を書けるようになれたらと思っています。ほのぼのとしたかわいい作品だけでなく、心に迫るような現実を取り扱う作品も書いてます。どうぞよろしくお願いします。