バイバイパンダパン(3/4)

文と絵・満月詩子

早く、早く帰らなきゃ。お母さん、待ってて。
結那(ゆいな)は、お母さんといつも行くカラアゲ屋さんに急ぎます。
ここのカラアゲが、お父さんは大好物なのです。

しかし、店の前に着いた結那は、目の前が暗くなりました。
シャッターが下りた店の前には、「完売」と書かれたチラシが、結那をこばむかのようにふさいでいます。
結那は、食い入るようにチラシを見つめます。
しかし、チラシもシャッターも、そよとも動きません。
どうしよう・・・お母さん。

満月 詩子 について

(みつき うたこ) 佐賀県生まれ、在住。学校図書館勤務を経て、福祉関係の仕事に就く。現在は、仕事以外に、ボランティア活動なども行いながら、絵本や児童書の創作を続けている。日本児童ペンクラブ、日本児童文芸家協会会員。 2012年、『その先の青空』で、第15回つばさ賞、佳作に入選 おもな著作に、『さよなら、ぼくのひみつ』【『さよなら、ぼくのひみつ』(国土社)に収録】。『たまごになっちゃった?!』【佐賀県DV総合対策センター発行】、『あかいはな」』【『虹の糸でんわ』(銀の鈴社)に収録】などがある。