ピーマンオバケのレストラン (1/3)

文・あいみ  

「むぅ。いらなぁい」
トン、トン、トン!
さえちゃんが足をふみならすと、ママはとっても困ったかなしい顔をしました。

「さえちゃん。わがままさんだと、ピーマンオバケが来ちゃうわよ?」
「ピーマンオバケ?」
なんだろうと、きょとんとしたさえちゃんにママはうなずきます。

「そう。好ききらいいっぱい言ってる子のところにやってくるんですって」
えー?
さえちゃんはわらいました。
「ウソだあー」
だって、そんなの聞いたことないもん。ママったら、ふざけてるんだ。
ところが。

創作童話『ピーマンオバケのレストラン』第1話挿絵ニンジンダイスキー店長「こんにちは、さえちゃん」
あれれ? いつのまにか、知らないだれかが来ていました。だれでしょう。
ピーマンとニンジンが白いふくを着て、おじぎしています。

「ボクはピーマンオバケの、タベルノダイスキって言います。こちらはお店のてんちょうさんの、ニンジンダイスキーさん。ボクたちは、子どもたちのやさいぎらいをなくしたくて、お店を開いているんです」
「タベルノダイスキさんは、一流のシェフですよ。それで今日、ごしょうたいしたのです」
ニンジンダイスキーさんがにっこりしました。

あいみ について

あいみです。東京都在住の介護士さんしてます。赤毛のアンが大好きです。文通なんかもしていたりします。一度きりの人生、楽しまなきゃ!の精神で毎日頑張っています。 きっと明日は今日よりも良くなると信じています。 ブログ→「あいみの幸せぶっく」