刺繍で描く、世界中の子どもたちの寝る姿

◆二人の思いと才能が見事に融合

文を手掛けたレベッカ・ボンドさんは、この絵本を通してどこでもみんなが安心して眠れる大切さを伝えています。
その思いを汲み取ったサリー・メイバ―さんは、刺繍を通してまるで世界中の子どもたちを訪ね歩いたような気分で制作されたと語ります。

その二人の思いと才能が見事に融合した素晴らしい作品です。
この絵本を読むことで、世界に目を向けたり、違いを知りそれらを尊重し合うことの大切さも学ぶきっかけになります。

今も世界のどこかで子どもたちが、それぞれいろんな姿で寝ています。
それらを想像すると、私たち一人ひとりとみんなが場所や時間を超えて繋がっている感覚、みんなと一緒なんだなという一体感のようなものも同時に感じられるのではないでしょうか?
今、世界では貧困や戦争などで安心して眠れない子どもたちも多くいます。

安らかに眠れる場所がある、日本の恵まれた環境は、ありがたさもより一層感じます。
それらを子どもたちに与えられる、守れる大人でありたいものだとつくづく感じました。
ぜひ寝る前に親子で読む絵本の1冊として、こちらを加えてみてはいかがでしょう?

 

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】