文字のない絵本! マルク・ヤンセンが描く色とりどりの世界!

◆ラストのシーンは

時が流れ、夜や昼間の美しい景色、色とりどりの海の生き物たちが登場する場面が展開され、見るものを飽きさせません。
またカメが海を旅するうち、時に危機に見舞われる瞬間や、海だけでなく陸の生き物たちと出合う瞬間も訪れます。

どんな時も甲羅の上で暮らす父娘と犬の命を守り、支えてくれていたのは大きなカメと海でした。
そして、ラストのシーンは読む者の心を洗い、純粋さを取り戻すような感覚を与えてくれます。

この絵本の最大の魅力は、なんといっても圧倒的な画力、色彩の美しさです。
表紙を見ただけでも思わず一目惚れしてしまうくらい印象的な青。
ほかにも、赤、黄色、緑、黒、白・・・といった鮮やかな色調、表情豊かな可愛らしい生き物たちの姿が読者を惹きつけます。(次ページに続く

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】