物語は生きている

キャラメル バンザイ』が電子書籍として発売されるまでを振り返って

◆私が学生のころ
キャラメルが「悩んどっとさー」と語りかけてきたのは、まだ私が学生のころです。
聴いてみると、キャラメルは、おもちゃたちに引け目を感じているようでした。しかし同時に、彼の心の奥には、大きな誇りが見え隠れしていました。

私は、キャラメルが持っている「自分が大好きだ~」という気持ちを、もっと表に出していいのでは?と思いました。それで、キャラメルがキャラメルのために、「バンザイ」と唱えられる詩「キャラメル  バンザイ」を作りました。

詩の中でキャラメルたちは、おもちゃに嫉妬しながらも、自分だって!という思いを少しずつ表に出していったので、私も、役割をはたせたような気がして、ホッとしました。
それから幾年月が過ぎたころ、今度はおもちゃたちの声が聞こえてきました。彼らにも言い分があったようです。
双方の思いを形にするにはどうしたらいいだろう・・・。

満月 詩子 について

(みつき うたこ) 佐賀県生まれ、在住。学校図書館勤務を経て、福祉関係の仕事に就く。現在は、仕事以外に、ボランティア活動なども行いながら、絵本や児童書の創作を続けている。日本児童ペンクラブ、日本児童文芸家協会会員。 2012年、『その先の青空』で、第15回つばさ賞、佳作に入選 おもな著作に、『さよなら、ぼくのひみつ』【『さよなら、ぼくのひみつ』(国土社)に収録】。『たまごになっちゃった?!』【佐賀県DV総合対策センター発行】、『あかいはな」』【『虹の糸でんわ』(銀の鈴社)に収録】などがある。