3つの願い(2/5)

文・伊藤由美  

ひとりのおかみさんが、いたずらっぽく、言いました。
「ねえ、兵隊さん。この村で暮らす方法がなくはないよ。ほら、あっちの草原を見てごらん。娘が3人、いるだろう。あのうちのどの子かのむこになればいいんだよ」
見ると、確かに、3人の少女が、草の中にすわって、クスクス、笑いながら、花をつんでいました。

おかみさんは言いました。
「金ぱつの色白は水車小屋のアダ。村の若い男の半分を夢中にさせているよ。あとの半分はミルカの方に夢中だ。
ほら、バラ色のほほに黒かみの子。かじ屋の娘さ。どうだね、二人とも、まるで妖精じゃないか!?
そして、もう一人、やせっぽっちの赤毛は、つう風持ちのモレんとこのサラだ。器量は今一つだが、気立ては一番さ。
さあ、どの子にする? より取り見取りだよ!」
おかみさんたちは、いっせいに、笑いました。

伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井市在住。 ブログ「絵とおはなしのくに」を運営するほか、絵本・童話の創作Online「新作の嵐」に作品多数掲載。HP:絵とおはなしのくに