2億4000万分の一のキセキ!(7/11)

文・ニケ  

二人が見えなくなると、ダイアンはこっそりおし入れから金色の箱を取り出しました。
「シーッ」
ダイアンは声をひそめ、じらすようにそーっとふたをあけました。
「うわぁ〜〜!!」
みんなあわてて口をおさえました。箱の中には、口べに、アイシャドウ、マニュキュア、マスカラなど、たくさんのけしょう品がまるで宝石のようにつまっていました。

さぁ、おけしょう大会の始まりです! まぶたを真っ青にしたり、むらさきにしたりリサもペイジも大こうふんです。ソラがモジモジしていると、ダイアンが慣れた手つきで真っ赤な口べにをぬってくれました。

「ソラ、クール!」
「オーサム! (ダイアン、わたしも!)」
しばらくの間、みんな目をキラキラさせおけしょうに夢中になっていました。
するととつぜん、部屋が真っ暗になりました。ソラは思わず、「キャッ」と悲鳴を上げてしまいました。

「(みんな、ショーのはじまりよ!)」
ダイアンがかいちゅう電灯を照らしました。
「(これでいい?)」
リサがノリのいい曲をかけました。
「アーハァ〜ン」
ダイアンは曲に合わせ、グイッとこしをくねらせました。
「ヒューヒュー」
ねっころがり、ひやかしすペイジ。ソラも真似をして、「ヒューヒュー」と声をあげました。

ニケ について

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(学術博士)。読んだ人がちょっとだけハッピーになる言葉を奏でます。