2億4000万分の一のキセキ!(9/11)

文・ニケ  

「ソラ!」
かん声にまぎれて、聞き慣れた声が聞こえてきました。ふり返ると、マイクが手を大げさにふっていました。
「ウワァ! ハァーイ! マイク!!!」
ソラも負けじと大げさに手をふりかえそうとして、
「アッ!」
と小さな声をあげてしまいました。マイクの横でとなりのクラスのチャールズが手をふっていたのです。

チャールズはお勉強も運動もできて、女の子たちにとても人気があります。その人気者がソラに手をふってほほえんでいるなんて、信じられません。チャールズの口元に真っ白な歯がキラリと光ったとたん、ソラのしんぞうはものすごい勢いでドキドキしてしまいました。カラダ中の血液がしんぞうめがけていっせいにやってきたように、ドックンドックンと音がしていました。

「ソ・ラ・の・お・と・も・だ・ち?」
ソラの真っ赤になった耳もとで、パパが大声でさけびました。
「う、うん。マイクと・・・マイクのお友だち」
ソラは小さな声で、はにかんだ様子で答えました。するととつ然、スタジアム中の人たちが「きゃー!」とき声をあげて立ちあがり、マイクもチャールズも見えなくなってしまいました。

「ソラ! 見ろよ! チアリーダーだよ!」
お兄ちゃんがこうふんしてさけびました。
アメフトの最大の見せ場、チアリーダーたちのパフォーマンスが始まったのです。チアリーダーたちはカラフルなボンボンをふって、飛んだり、はねたり、回ったりしています。ソラは音楽に合わせ、からだを波うつようにゆらしました。
「うわぁ!!!! カッコいい!!!」
ソラの目がキラキラかがやきました。

ニケ について

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(学術博士)。読んだ人がちょっとだけハッピーになる言葉を奏でます。