アーカイブ


「おーい、 ふろだぞ。 ふろ! ゆうすけも こーーい」
じぃじが ぼくを よんでいる。

ねながら どなっているけど、 こえは わらっている。
でもさ、ぼく あついおふろ いやなんだよね。

ガッチャン! スッポン!
げんかんの ポストから しんぶんを ひっぱるおと。
ぼくは そのおとで めがさめる。

「んー あさだ!」
じぃじは めをつぶって のびのびしている。
でも ねながら うごいているみたい。

「ひろしくん、いっしょに
海に いきましょうよ。
わたし、がんばるから」

おんなのこは ひろしくんを すくいあげ、
いちもくさんに かけだしました。


それから おんなのこは
毎日のように ひろしくんの ところにきて、
海が どんなに すてきなところか おはなしして くれました。

「すごいなぁ、すごいなぁ。
ぼくも 海を みてみたいなあ」
ひろしくんは いつからか、
海に あこがれるように なりました。