ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(5/6)

文・ひなたのんき  

カチャ・・・
部屋のドアがあいた。ぼくは、ドキッとして、目をさました。
いけない、いけない。ちょっと、ねちゃってた。
ドアの方から、だれかが、しのびあしで、部屋に入ってくる。もしかして、サンタさん?
しまった・・・。
まさか、ドアから来るなんて。ドアの方には、わなを、はってない。

エージェント⑤プレゼント「だれか」は、ぼくたちの方に、ちかづいてくる。
サンタさんだったら、つかまえなきゃ。水でっぽうをもって、「手をあげろ」って言うんだ。
ぼくは、ドキドキしながら、ねたふりをしていた。
そして、「だれか」が、ぼくたちの枕のよこにきた時、そうっと、うす目をあけた。
「・・・!」
あぶなく、声をあげるところだった。
枕のよこにいたのは、パパだった。パパが、ぼくの枕のよこに、プレゼントをおくところだったのだ。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。