リンのはね(2/2)

文と絵・かなこ すぷらうと

そのときです。
きいろい コスモスが くちを ひらきました。
「リン、わたしたちもね いつか かれてゆくの。でも、また らいねん ぴかぴかの はなを さかせるのよ。リンにも らいねん、あたらしい はなを みてほしいわ」
きいろい コスモスは はっぱを ゆらしました。
リンS11_12「リン。わたしの はなびらを ちぎってちょうだい。そうして リンの はねに つけるといいわ」
ピンクや あかいろの コスモスたちも かおを あげました。
「わたしの はなびらも どうぞ つかって」
「どうせ かれるんだもの。 せっかくなら リンといっしょに そらを とびたいわ」
リンは コスモスたちを みつめました。
どれも キラキラとした うつくしい りっぱな はなです。

かなこ すぷらうと について

埼玉県生まれ。社会人になった後、1年間暮らしたNewZealandでたくさんの自然に触れたことをきっかけに、絵を描くことを志す。帰国後は絵画教室に通い、児童デイサービスで働きながら絵本づくりやイラスト制作を続ける。空気の匂いや温度のある絵を描けるように勉強中。現在はアメリカ在住。 Twitter : kanacosprout