「もったいない」が楽しくなる!

もったいないばあさん
真珠まりこ 作・絵
講談社

「もったいないって、どういう意味?」
そのヒントをくれるのが、この絵本だ。
もったいないばあさんにすれば、少年のすることなすことが、「全部もったない」。

昨年、創作の道に入って会社を辞めた私は、気がつくことがあった。
「それ、もったいない!」と、私を叱ってくれる人が、もういないということだ。
新入社員のころの私は、まわりの先輩にとってみれば、することなすことが「もったいない」、はずだったと思う。
そのときは、「うるさいな・・・」なんて思うこともあったが、やっぱり言われなくなると、さみしいもの。
そんな当時のことをなつかしく思いつつ、本書を読んでみた。

ある日のご飯どき、少年のもとに、もったいないばあさんがやってくる。
そのばあさんの目には、少年のすることなすことが、とんでもなくもったいない。
もちろん少年には、チンプンカンプン。
「いったい、なにがもったいないの?」、それがわからず、とうとう少年は泣いてしまう。
ところがばあさんの「もったいない」には、ちゃんと意味があったのだ。そのことにひとつ気づくたび、少年の世界は新たな発見で満たされていくのだった・・・。

本書を読んで、ハッとした。
まだ先輩方のように、創作の仕事もなく不安定な暮らしも続いているが、「もったいないに気づけば、すこしは解消できるよね」と感じたことだった。

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泉あおり について

兵庫県神戸市在住。 ふと子供の本を書こうと思いつき、会社を飛びだしました。 今は時間を見つけては、童話と児童小説を書いています。 趣味は妻とのさんぽ。とくに山から神戸の景色を見るのが大好きです。 日本児童文芸家協会 研究会員