こわいもの見たさの気持ちを満たす本!

こんた書影こんたのおつかい
田中友佳子 作・絵
徳間書店

私は末っ子なので、下に妹か弟がほしいなぁ、と子どもの頃からいつも思っていました。保育士という仕事を選んだのは、その願いを少しでも満たしてくれるのではないかな、という気持ちからです。それに、子どもが大好きでした。

保育現場では、誕生会の進行当番が順繰りに回ってきます。自分の当番の時、絵本や大型紙芝居をするのですが、園児たちに「今月はこわい話、して~」とせがまれて、手にしたのがこの本です。私はとてもこわがりなので、あえてこわい類のお話をさけ、愉快なお話ばかりを選んでいました。でも、子どもってこわいものが大好きです!

自分がこわがりなので、恐る恐るページをめくる仕草や、びくびくしながら読み進む過程が、子どもたちの恐怖心を煽ったようで、怪我の功名ともいえる結果となりました。

おつかいをたのまれた、こぎつねのこんた。
お店に行く途中、買ってくるものを忘れないように「おあげ、おあげ」と繰り返しながら歩きます。いつもおかあさんと通るのは「はなの道」です。ところが、お母さんに絶対通ってはダメ、と言われていた「もりの道」をこんたは通ってしまうのです。

そこで最初に出会ったのは何とてんぐ!
あまりのこわさに、こんたは「てんぐ、てんぐ」と口ずさみながら進んでゆきます。「おあげ」が「てんぐ」かわっているのも気が付かないほどびっくりしたのです。
不気味なもりの道でつぎに現れたのはオニ! こんたはわきめもふらずに走って逃げました。
また「オニ、オニ」と叫びながら進んでゆくと、次に現れたのは、何と恐ろしい者たち!
キャ~~~! お母さんたすけて! と、死にものぐるいで走って逃げるこんた。
はたして無事にもりの道を抜けることができるのでしょうか?

ページをめくるごとに登場するてんぐやオニ、そして恐ろしい者たち!
画面いっぱいに描かれた迫力満点のイラストは、子どもたちのこわいもの見たさを十分に満足させてくれるでしょう。
こんたは、どうして通っちゃダメって言われていた道を通っちゃったのかな?
ちゃんとおつかいできるのかな?、もりの道を走っていけるかな?
おあげをちゃんと買えるかな?
そんなハラハラ、ドキドキの気持ちを、子どもたちは、きっとこんたと一緒に共有することができるでしょう。

ことば遊びのおちがついていて、こわい思いをしたこんたがほっとするとき、こどもたちも「ああ、よかった!」と胸をなでおろすことでしょう。
ページをめくるほどに驚きがいっぱい。読み聞かせにぴったりの絵本です。

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