ペンギンのアディ(1/10)

文・伊藤由美  

グエー、グエッゲゲゲー!

あっちでも、こっちでも。
ペンギンは、だれもかれもが白黒のえんびふくすがたなので、こうでもしないと、だれが自分の奥さんで、だれが自分のだんなさんか、わからなくなるのです。

「ただいま、わたしよ、あなた!」
「おかえり、ぼくだよ、おまえ!」
まちがえないために、ちゃんとあいさつをし終えてから、やっと、場所をこうたいします。

「ああ、助かった! おなかがぺこぺこだ! じゃあ、行ってくるよ、おまえ!」
「ええ、いってらっしゃい、あなた!」
今度は、父ペンギンが、パタパタ、遠くの海へ、出かけていく番でした。
アディとトトに、やっと、ごはんの時間が来ました。

伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。