太陽がほしかった王様(2/8)

文・伊藤由美   絵・伊藤 耀

王様の命令で、8000頭の象に、こう鉄のかぎづめと、頑丈なさおと、太いロープが積みこまれました。
そこにマガタの屈強な兵士たちが乗りこむと、東の果てめざして、勇ましく出発して行きました。

率いるのは、国一番の勇者として名高い赤ひげ将軍です。
これまで、どんな強い敵にだって、背中を向けたことはありません。

でも、途中、広い砂漠を渡る時、3000頭の象が、のどのかわきで、死んでしまいました。
その先の平原では、たけだけしい盗ぞくと戦って、さらに3000頭が命を落としました。やっと東の果ての山にたどり着いた時には、つらい旅の疲れで、1000頭の象が動けなくなっていました。

伊藤由美 について

宮城県石巻市生まれ。福井県福井市在住。 『指輪物語』大好きのトールキアン。その上にトレッキー(「スター・トレック」ファン)でシャーロキアン(「シャーロック・ホームズ」ファン)と、世界3大オタクをカバーしている。

伊藤 耀 について

(いとう ひかる)1992年福井県福井市生まれ。仁愛大学人間学部心理学科卒。いつもはウサギばかり描いているが、ときどき、母親の童話に挿絵を描いている。福井市在住。創作工房伽藍で勉強中。